ママの手料理
しかも、確か彼も私と同じで4年前に本当の家族を亡くしている。


だから、聞いてみたかった。


しかし当の本人は何も言うことなく、ただ私を見つめるだけだった。


「私の家族は、天国できちんと幸せになれるよね、?」


数秒間きょとんとした顔をしていた彼は、少し言いにくそうな顔をしながら唾を飲み込んだ。


んー、と少し悩んだ様な素振りをした彼だけれど、自分の中でも何か区切りがついたのか、最終的には私の目をしっかりと見てゆっくりと口を開いた。


「僕は…僕は、前も言ったと思いますが実の家族が大嫌いだったんです。それで、言いにくいんですが…本当の事を言うと、僕は正当防衛として両親を殺したんです」


「え、」


(こ、殺……?航海が、自分の両親を殺した、?)


私と同い年なのに私よりもずっと大人びている彼は、はい、とゆっくり頷いた。


航海が自分の両親を嫌いだったのは覚えていたけれど、まさか航海が殺したなんて考えてもいなかった。


銀ちゃん達が、航海はサイコパスで正当防衛として人を殺したことがあると言っていたけれど、まさか自分の家族を殺していたとは。


(ど、どうやって殺したっていうの……!?怖すぎる、、)


もう、ショックと驚きでなんと言っていいのか分からなかった。
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