ママの手料理
「大也寒いの?暖房の温度上げようか?あと紫苑、おやつにマカロンとワッフルがあるけど、追加でタピオカ飲みたい?」


ブヒーッ、と盛大な音を上げて鼻をかんでいる大也に迷惑そうな顔を向けた湊さんは、次の瞬間私に尋ねてきた。


「あー、タピオカ飲みたいです」


あー、と言っておきながら悩む素振りは全く見せずに即答した私に、


「タピオカミルクティーMサイズで平気?」


既に私の大好きなタピオカミルクティーを作り始めている伊織が、笑いながら聞いてきた。


もちろん、私はそれに笑顔で頷いた。



朝は気が付かなかったけれど、心なしか、伊織の目の下にクマが出来ている気がして。


やはり、昨夜の件と今朝からのOASISへの連絡で疲れているのだろう。


OASISから抜けた身なのにOASISに連絡をするなんて、相当なプレッシャーとストレスがかかっているに違いない。


申し訳ないな、と感じながら、私は遠慮なく出来上がったタピオカミルクティーを受け取った。



「これで皆集まったね?銀河と伊織もOASISに関する情報を集め終わったらしいから、とりあえずそれについて教えて貰ってから詳しい事を決めていこうと思う。…何度も言うけど、これは真剣な盗みと復讐になるからくれぐれも馬鹿げた事は口走らないように。分かったね、航海、大也!」
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