へたれライオン 卒業します
視聴覚室に入ると
3年生らしき男子が2人
ニヤニヤしながら近づいてきた



ガチャ!!



「え?」



「外からこの部屋の鍵を閉めてもらったから
 そいつに開けてもらえるまで出れないよ~

 花純ちゃん~」




「な、なんでこんなことするんですか?

 盗撮って犯罪ですよね?

 退学になりますよ!」



「俺たちどうせ
 この学校、今日で退学だから
 何やっても良いってわけ」



「それに着替えの動画を
 撮ったってのは、ウソ~

 今から録らせてもらうから」



二人は私を無理矢理イスに座らせ
紐で手足を縛ると
私の体をイスに縛り付けた



「やだ!やだ!

 やめてください!」



私は泣きながら大声で叫んだが



「花純ちゃん~
ここは防音室だよ~」



「叫んでも、誰も来ないから アハハハハ」



「花純ちゃん~
もうカメラ、回してるからね」



そう言って
一人が私のシャツのボタンに
手をかけようとしたとき



ドーン!!



勢いよく
視聴覚室のドアが開いた



「大丈夫か??」



え?

この声は・・・


直哉先輩??



「来るのが遅くなって悪かったな

 かすみん、怖かったよな?」



私はは怖くて怖くて
どうしようもないくらい怖くて

その恐怖がぬぐいされないまま
直哉先輩の胸で
うわんうわん泣いた



私を恐怖に陥れた二人は
柔道部とボクシング部の部長たちに
取り押さえられた



それから
学校のことを考えるだけで
怖くて体が震え
涙が出るようになり

私は
学校へ行けなくなった
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