へたれライオン 卒業します

(尊side)

｢なぁ奏多
春名が学校に来なくなったのって
俺のせいだよな？｣



今日で一週間
春名は学校を休んでいる



しかも
公民館にも来ていないらしい



｢俺さ
誕生日にケーキ屋に連れてくって約束
破ったじゃん

そのせいで
俺と顔を合わせたくないんだろうな｣



｢そのせいじゃないよ｣



｢奏多、何か知ってるのか？｣



｢・・・｣



｢歩なら、春名の家知ってるかも
俺、春名の家に行ってくる｣



｢尊、待てよ・・・話すから｣



奏多は険しい顔で話始めた



｢春名さ・・・

　学校で襲われかけたんだ｣



｢は？何それ？｣



｢椅子に縛られて、襲われかけたらしい

　生徒会長たちが助けに来たから
　未遂だったけど｣



｢なんだよそれ！

　なんで奏多が知ってんだよ！｣



｢俺が・・・

　生徒会長に相談した｣



｢は？｣



｢春名の誕生会の次の日の朝
　お前と咲姫が女子に囲まれて
　付き合ってること根掘り葉掘り聞かれてたじゃん

　あん時
　自分の席に座ってたら
　斜め前の席の春名が
　教科書みながら顔が真っ青になってたんだよ

　その教科書に
　昼休みにどこかに来いって書いてあった

　場所がわからなかったから
　とりあえず生徒会長のとこ行って
　その事伝えたんだ

　昼休みに
　俺が春名を尾行することになってたんだけど
　咲姫に話しかけられてるうちに見失った

　生徒会長たちで
　必死に探して
　春名を助けてくれたんだよ｣



｢奏多、なんで俺に言ってくれなかった？｣



｢他の奴に言ったら
　着替えの動画ネットに流すって
　書いてあったし

　俺は
　これを収められるのは
　生徒会長しかいないって思ったから｣



｢・・・｣



｢それに
　春名が襲われた原因は
　尊、お前だと思う｣



｢は？なんで？｣



｢春名の教科書に
『尊に近づくな』って書いてあったから｣



｢なんだよそれ！
　結局オレ１年前から
　春名を傷つけることしかしてないじゃん｣



俺は春名のことを
好きで好きでしょうがないのに・・・

会いたくてしかたがないのに・・・