へたれライオン 卒業します
(花純side)

私は決めた!

明日ポストに
転校届けを出そう!



そんなことを考えていると



ピンポーン



玄関のチャイムがなった




恐る恐るのぞき穴から
玄関の外を見ると



『え?

 高杉くん??

 どうして?どうして?』



私は鍵をあけ
手のひらくらいの幅だけ
ドアを開けた



「急にごめん・・・

 子供たちが書いた手紙を
 届けに来た・・・」



「わざわざ届けてくれたんだね
 高杉くん、ありがとう・・・」



高杉くんが来てくれたのは
本当に嬉しかった

でも
高杉くんとこのまま話したら
転校すると決めた私の決意が
揺らぎそうで怖かった



私は無表情のまま
手紙を受け取り
玄関を閉めようとしたとき



「春名お願い・・・

 もう少しだけ
話 を聞いてほしい・・・」



寂しそうな目をした
高杉くんが言った



そんな目をされたら
断れないよ・・・



家のなかに
入ってもらうことにした

< 36 / 51 >

この作品をシェア

pagetop