香りであなたを癒やします ー 王太子殿下、マッサージはいかがですか?
もう彼といられるのは一週間しかない。
こうなったら思い切りアレンとの時間を楽しもうと思う。
悲しんでお別れするなんて嫌だ。
にっこり笑って彼と……この世界に別れを告げたい。
アレンが愛おしげに私を見つめてくる。
周りの空気も熱を帯びて、これから彼にキスされるんだって感じた。
アレンが私に顔を近づけて熱く口付ける。
ここで時間が止まればいいのにーーー。
そう思わずにはいられない。
甘くて優しくて熱くて……その甘美なキスに我を忘れる。
もっと彼に近づきたい。
そんな感情が湧き上がってきた時、コンコンとノックの音がして慌てて彼から離れた。
そんな私を見て代わりに彼が「入れ」と返事をする。
すると、ドアが開いてロイドが入ってきた。
「アレン様、陛下がお呼びですよ」
「わかった。すぐ行く」
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