香りであなたを癒やします ー 王太子殿下、マッサージはいかがですか?
「あの……その……怪しい者ではありません」
ハハッと苦笑いして言い訳する。
このセリフ前にも誰かに言ったような。
ウェディングドレス姿で突然女が現れたら、そりゃあ不審に思うよね。
でも、待って……この女性の顔、見覚えが……って私じゃないの?
数年後の私じゃない?
それにしてもその赤ちゃんは誰なのだろう。
「あのう、つかぬ事をお尋ねしますが、山本胡桃さんですか?」
恐る恐る聞けば、彼女は赤ちゃんをギュッと抱きしめながら答えた。
「そうだけど、あなたは誰?」
あー、やっぱりそうなんだ。
どうやら少し先の未来に来てしまったらしい。
少しホッとして彼女に自己紹介する。
「私も……山本胡桃で……ちょっと前まではクルミ・オブ・ラフォリアでした。異世界のパルクレールっていう国の」
私の話に彼女は大きく見開いた。
「クルミ・オブ・ラフォリア……それは私の昔の名前」
< 227 / 238 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop