この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
同世代と混じって遊ぶのも、城下町に降りるのも、嫌味ったらしい教師の授業をサボるのも、全部全部我慢した。
だからローデリヒは、我慢強くて理性的な方だという自覚がある。
「――だが、呆気なく理性が飛んだんだ。私は欲求不満なのだろうか?」
「ゴフッ」
真顔で相談してきたローデリヒに、イーヴォは飲んでいた紅茶を吹き出した。「汚い」とローデリヒから穢らわしいモノでも見るような顔で言われた。納得がいかない。イーヴォとしてみたら、いきなり主君から悩み事があると言われ、執務の休憩がてら、二人でお茶をしながら聞く流れになったのだ。
そして、問われたのが〝自分の嫁に呆気なく理性が飛んだ。自分は理性的だったはずなのに何故だ?〟といった内容。
深刻な相談かと、やや身構えていた自分がアホらしい……、とイーヴォは懐から出したハンカチで口元を拭う。嫁に逃げられたゲルストナー公爵といい、戦闘狂気質のあるヴォイルシュ公爵家の末子といい、最近隠し子疑惑が出ている国王といい、何故こんなにもキルシュライト王家の血を引く人間は個性が強すぎるのか。優秀な血が混ざりすぎて、頭にまで影響しているのではないだろうか。
「……いや、自分の嫁に欲情するのは決して不思議な事ではないと思いますけど……?」
だからローデリヒは、我慢強くて理性的な方だという自覚がある。
「――だが、呆気なく理性が飛んだんだ。私は欲求不満なのだろうか?」
「ゴフッ」
真顔で相談してきたローデリヒに、イーヴォは飲んでいた紅茶を吹き出した。「汚い」とローデリヒから穢らわしいモノでも見るような顔で言われた。納得がいかない。イーヴォとしてみたら、いきなり主君から悩み事があると言われ、執務の休憩がてら、二人でお茶をしながら聞く流れになったのだ。
そして、問われたのが〝自分の嫁に呆気なく理性が飛んだ。自分は理性的だったはずなのに何故だ?〟といった内容。
深刻な相談かと、やや身構えていた自分がアホらしい……、とイーヴォは懐から出したハンカチで口元を拭う。嫁に逃げられたゲルストナー公爵といい、戦闘狂気質のあるヴォイルシュ公爵家の末子といい、最近隠し子疑惑が出ている国王といい、何故こんなにもキルシュライト王家の血を引く人間は個性が強すぎるのか。優秀な血が混ざりすぎて、頭にまで影響しているのではないだろうか。
「……いや、自分の嫁に欲情するのは決して不思議な事ではないと思いますけど……?」