ど天然彼氏の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】

「俺も、大好きです」

さっきもしたように、今度は毛布ごと抱きしめる。

そのとき、ポケットに入れたままだったスマホが着信を告げた。

渋々美結から離れて画面を確認する。

「美結、兄さんからだ。……出るよ?」

びくっと、美結の肩が揺れた。

「ま、待って……っ」

「うん。待つ」

美結の言葉を聞いて、スマホを机に置いた。

「わ……私、が出る……」

「……大丈夫?」

「……お兄ちゃんにも、訊きたいことがあるから……」

美結の決意はかたいようだ。僕は、鳴り続けるスマホを美結に渡した。

「……もしもし、お兄ちゃん?」

『美結⁉ なんで美結が――、あ、やっぱ想と一緒にいるのっ?』

兄さんの大きな声が僕にまで聞こえて来た。

< 183 / 289 >

この作品をシェア

pagetop