ど天然彼氏の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】
「俺も、大好きです」
さっきもしたように、今度は毛布ごと抱きしめる。
そのとき、ポケットに入れたままだったスマホが着信を告げた。
渋々美結から離れて画面を確認する。
「美結、兄さんからだ。……出るよ?」
びくっと、美結の肩が揺れた。
「ま、待って……っ」
「うん。待つ」
美結の言葉を聞いて、スマホを机に置いた。
「わ……私、が出る……」
「……大丈夫?」
「……お兄ちゃんにも、訊きたいことがあるから……」
美結の決意はかたいようだ。僕は、鳴り続けるスマホを美結に渡した。
「……もしもし、お兄ちゃん?」
『美結⁉ なんで美結が――、あ、やっぱ想と一緒にいるのっ?』
兄さんの大きな声が僕にまで聞こえて来た。