ど天然彼氏の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】
「………」
美結が毛布を握りこんで、唇も噛みしめた。
「想……お兄ちゃん、なんて言ってたの……?」
「……美結が、本当は従兄妹だって。……弟夫婦は、二人とも亡くなっているって」
「……そうなんだ……。私、なんにも知らなかったよ……」
自嘲ともとれる声で喋る美結。
兄さんが言っていたことは、本当だったんだ……。
「ねえ美結。兄さんには、雨あがったら送って行くって言ったから、やまなかったら今日ここにいてね」
「……はいっ⁉」
「おじさんとおばさんには俺が連絡して、ちゃんと了解もらうから」
「え、いや、想? それってどういう意味かわかって――」
「わかってるよ? 美結がうちに泊まって行くってこと」
「~~~~⁉」
美結、何回目かの顔真っ赤。
雪ん子なら蒸発しているだろうな。
「帰せないよ」