ど天然彼氏の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】

「………」

美結が毛布を握りこんで、唇も噛みしめた。

「想……お兄ちゃん、なんて言ってたの……?」

「……美結が、本当は従兄妹だって。……弟夫婦は、二人とも亡くなっているって」

「……そうなんだ……。私、なんにも知らなかったよ……」

自嘲ともとれる声で喋る美結。

兄さんが言っていたことは、本当だったんだ……。

「ねえ美結。兄さんには、雨あがったら送って行くって言ったから、やまなかったら今日ここにいてね」

「……はいっ⁉」

「おじさんとおばさんには俺が連絡して、ちゃんと了解もらうから」

「え、いや、想? それってどういう意味かわかって――」

「わかってるよ? 美結がうちに泊まって行くってこと」

「~~~~⁉」

美結、何回目かの顔真っ赤。

雪ん子なら蒸発しているだろうな。

「帰せないよ」

< 185 / 289 >

この作品をシェア

pagetop