ど天然彼氏の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】
「……美結が聞いた話と、俺が聞いた話、全部が同じじゃないと思うけど……おじさんとおばさんは美結が可愛くて仕方なくて、兄さんは美結が妹でよかったって思ってるんじゃないかなって」
そうでなければ、僕が美結と付き合うって報告に行ったとき、あんなに泣きはしないだろう。
兄さんも実家にすっ飛んでくるほどだったし。
「美結は、大事にされているんだなあ、って」
ああ、もちろん、
「俺の方が美結を大事に想ってるけどね?」
「想……っ」
「嘘や冗談じゃないよ?」
「……うん、想、嘘も冗談も、言ったことないもの……」
あれ、僕ってそんなカタい感じだったかな。
「だから、好きなんだ……」
――嘘も冗談も言わなくてよかった。
「想、美結ちゃん、入るわよー?」