ど天然彼氏の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】
「ごめん、言うよ。俺は美結だけってわかってるから。俺の一生で、傍にいるのは美結だけだって。……一緒にいたら、どっちかが先にさよならするよね。そういうとき、後を追うってことだけは、絶対にしないでほしいって思って
「追うに決まってるじゃん! 想、まだ、私がどれだけ想のことを好きかわからない? 想は私の一生の人なの! 想がいない世界に、私の居場所なんてないよ……」
震え出す美結の声。
そんなこと、ないよ。
「あるよ。美結の居場所は、俺のとこだけじゃない」
「想のとこだけでいい!」
「美結、あんま嬉しいこと言わないで。本当に帰せなくなるから」
「何を嬉しがってんの⁉ ……あの、私たち今、半ば修羅場って言うか、喧嘩してるよね……?」
「え? 今の喧嘩だったの?」
思わず瞬きを返せば、美結は口をもにょもにょさせた。