ど天然彼氏の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】
「み――」
「私以外に大事な人が出来てもいいよ。想が、心から好きだって思える人なら、想がまた恋することを、私がゆるすから。だから……ただ生きるんじゃダメだよ? 幸せに生きるの」
美結が右手を持ち上げた。
「私のわがまま、約束してくれる?」
美結は笑顔なのに、頬には涙が伝っていた。
「……うん。約束する。美結も、俺が欠けても、幸せに生きるんだよ?」
「想のわがままなら、約束する」
「うん」
僕は美結とはつないでいない左手を出して、不格好なゆびきりをした。
「ふふっ、想のわがままもらっちゃった」