ど天然彼氏の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】
美結が涙の笑顔でそんなことを言うものだから、左手で美結の頬をとらえて、伝う涙に唇を寄せた。
「そ、想っ」
「大丈夫、人いないから」
「一応ここ、住宅街っ」
「美結が可愛いのが悪い」
――もし、僕が先に欠けてしまったとしても、美結が淋しくなることがあっても、哀しくなることがあっても、涙の海に沈まないように、今、僕に出来る最大限のカタチで、美結をせいいっぱい愛するんだ。
「なんでそうなるのっ。想、あの~」
「ん。これで大丈夫かな」
美結の涙を全部唇で拭うと美結は、今度は恥ずかしそうに口をつぐんでいた。