ど天然彼氏の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】
「……な、なに?」

「言葉遣い変わったな」

「……え?」

僕の返しは意外だったようで、美結はきょとんとした顔で僕を見上げて来た。

可愛い。

「いや、美結ってもっと男言葉上等って言うか、中学の頃なんて、一人称がお――」

「わあああああああ! それはナシ! それ以上言ったら頭突きするから! ヒトの黒歴史掘り返して楽しむよなよちくしょう!」

勢いよく飛びついてきて僕の口を両手でふさぐ格好をしたと思ったら、その次には頭を抱えてしゃがみ込んでしまった。

そしてブツブツ一人で喋っている。

「うう……思春期ってそういうのあるじゃん……私だけがおかしかったんじゃないよね? いや、同級でそんなこと言ってたのは私だけ、か……? ハハ……アハハ」

……美結、一人で大変な事態になっているようだ。

僕も美結の隣にしゃがみ込む。

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