ど天然彼氏の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】
「別に、俺も美結と色々競ってたおかげで、成績はよかったし部活も楽しかったし、志望校にも入れたし。な? いやになるわけないだろ」

――嘘だ。

本当は、僕は、美結に感謝しているのと同じだけ、美結が憎い。

ずっと僕を惹きつけてやまない可愛すぎる子。

僕を構成する総てにすら、なってしまえるような子。

……好きでいるのが、苦しい。

美結が、がばっと顔をあげた。

「ってか! 変わったのは想もだよ! 前はもっと元気はつらつ好戦的だったのに、なんか最近ダウナーじみてるしっ」

噛み付く勢いの美結に、僕は二度瞬いた。

……うん? ああ、それか。

「その辺りは本気で色々面倒になったから、半ばわざと演じてる」

「……面倒?」

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