ど天然彼氏の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】
「告白とかね。俺の上っ面見て好きとか言われても、全然説得力ない。だから少しでも目立たないようにって思って」

演じておりました。

「……想、そんなに告られてんの?」

「たまーにあるかなってくらいだよ。俺の本性なんて、美結に勝って拳握って喜んでるとことかなのに」

「それ、想の小学生の頃じゃん」

「そ。俺、あの頃から一つも成長してねーの」

本当に、何一つ。

美結との関係が変わるのが怖くて、でも美結を失いたくなくて、成長を止めた。

そうすれば、ずっとこのままでいられると思っていたから。

「……なんか、想って頭いいのにアホなんだよね……」

美結に言われるなら、僕には総てが褒め言葉だというくらいだ。

先に膝を伸ばして立ち上がり、美結にも促す。

美結はまだ渋々といった表情で立ちあがった。

「で? 美結はなんで口調改善? とかしてんの?」

僕が歩き出すと、美結も隣に並んできた。

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