希空~空姫に希望を。~
翌日。
オレは諷賀と作戦を練るために家の片付けをしていた。
オレの家は…、結構フクザツで、最早この一軒家はオレの家と化していた。
月イチくらいでリビングのテーブルに金が入った封筒が置いてあるから、親にあたる人達がまだどこかで生きていることだけはわかるけど。
ガチャっと音がして諷賀の声が聞こえた。
諷賀はオレの家の事情を知っているから、オレの家を自分の家と同様に扱っている。
だからわざわざインターホンなんか鳴らさねぇし、お邪魔しますなどという挨拶もない。
「おはよ」
「おー。ってもう昼だけどな!」
リビングに入ってきた諷賀と言葉を交わす。
優しそうなイメージを植え付けてくる柔和な笑顔を浮かべている諷賀。
コイツは髪色以外暴走族に入っている奴には見えないんだ、普段は。
「意外〜。
昨日ので溜まってると思ったのに。
平気だったんだ?」
オレがそうおちょくるように言うと、諷賀の瞳が斜め上を向いたと同時に無表情になった。