希空~空姫に希望を。~
スッと膝を折ってオレ達と目線を合わせた七瀬。
そして作り物みたいに綺麗な顔を咲かせてから、口を開いた。
「はじめまして、七瀬調です。
最近はあまりやってないけれど、
趣味はバイオリンとピアノ。
母親がアメリカ出身で、僕はハーフなんだ。
よろしくね」
「っ…!」
誰だよ、コイツ。
優しく微笑んだ七瀬は、普段話す声よりワントーン高い声で自己紹介をした。
漂う貴族オーラがヤバい。
バラがまわりにとんでいるように見えるのは、きっとオレだけじゃないはず。
「で?これで満足?」
急にいつもの無表情に戻って立ち上がる七瀬。
すげぇ。バラが一瞬で消えちまった。
「できる訳ねぇとか言って、悪かった」
オレは素直に謝った。
オレは良くも悪くも、自分の感情に忠実だ。
できる訳がねぇと思い込んでたオレが間違っていたし、それを言ったことによって七瀬を不快にさせたのは間違いない。
でなきゃ反論なんてしてこねぇだろうし。
「別にいい」
それだけ言って再び壁にもたれかかった七瀬。
なんでコイツは座らねぇんだろ。
そう思ったけど、あんまりオレがしゃべってても進まねぇから我慢する。