希空~空姫に希望を。~

順番にマイクをまわして、いろんな曲を楽しんだオレ達。


初めてのカラオケだという2人には雰囲気に慣れてもらうためにあえてマイクを渡さず、諷賀とオレ、守唄と旋矢の4人で歌っていた。




諷賀は今人気の流行りの曲を歌って、オレは大好きなアップテンポのロックな曲。


七瀬にうるさいって言われた気がしたけど、きっと気のせいだな!




守唄と旋矢が向かい合ってデュエットのラブソングを歌ったときは笑いすぎて腹が痛かった。




シイナが声を上げて笑うことはなかったけど、少し、ほんの少しだけ口角が上がっていた。



それを見たオレはすっげー安心した。




カラオケとか、苦手な奴からしたらうるさいだけの所だもんな。


実際七瀬は死んだ顔してるし。




でもシイナは楽しいと思ってくれてそうだ。



一段落した所で、オレはシイナにマイクを差し出しながら言う。



「シイナ、何か歌える曲あるか?」


「……」


あ、この感じはいつもの黙秘な奴ですね。



そう判断したオレはすぐに手を引っ込める。




「歌いたくなったら言ってくれよな!

 無理強いはしねぇよ」



「…ありがと」


シイナの声が返ってきて、勝手に胸がぽかぽかしだす。



ダメだ。オレ本当にシイナのこと特別に思いすぎじゃね?



日に日にシイナのちっちゃな言動に振り回されるようになってきている気がする。




…いや、気のせい!そう!気のせいだな!!



「キョウ、うったいま〜す!」



オレは気分転換の意味も含めて大好きなバンドの曲を熱唱した。






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