浅葱の花びら
四、総司
びしょ濡れで帰ってきた藤太郎は、熱があると聞いた

恋心を自覚してから、藤太郎を避けてきたけど、同室なのに見過ごせない


着替えの間に布団敷いてあげよう



「藤太郎!!まて!!」


物凄い勢いで声も掛けずに入って来た祐也が、僕の腕を引く


「沖田さんちょっと!
ちょっとこっち来て!」


廊下に出された


「なに?」

「あ、藤太郎が
着替えるから… あははっ」


祐也があからさまに狼狽している


「だから何!?」


詰め寄ろうとしたが


バタッ


藤太郎が倒れた音だろう

扉に手を掛けた


「俺が!俺が先に見ます!
沖田さんは、ここで待ってて!!
ね!ね!ね!」


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