浅葱の花びら
屯所に戻ってからは、無我夢中



「藤太郎、着替えて飯食ってこい」


すでに日が暮れていた


声をかけてくれた斎藤に、ペコリとお辞儀して、井戸に向かった


顔を洗い、髪も洗い
体を拭く為に桶に水を張り
自室に戻る


まだ目覚めない総司のそばで
裸になり、体を拭き着替えた


広間に用意された夕餉を食べていると
土方から後でこいと言われた


土方の部屋に行くと


座れと目で言われる



「声、出してみろ」

「   」



出ない



「   」


「無理するな
たまたま出たんだろうな」



土方が微笑んだ


この人は、いつも冷静に判断出来る

なのに、俺を怒る時は冷静さがない



「総司が好きか?」


頷く


「惚れてるかって意味だ」


俺は、顔を顰め、小首を傾げた

正直、わからない



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