美男子の部屋に保護されました
300メートルほど歩いて、目的のお店に着いた。

Accueil(アクィーユ)

最近この辺りにも増えてきたフレンチレストラン。

「ここ、おいしいんですよね?
優美がお勧めだって言ってました。」

私が言うと、

「らしいね。
俺も会社の同僚に教えてもらったんだ。」

と大和さんは微笑んだ。

でも、人気があり過ぎて、なかなか予約が取れないって優美が言ってたけど…

もしかして、随分前から予約してくれてた?

私はその心遣いが嬉しくなって、繋いだ右手にきゅっと力を込めた。


店内に入ると、落ち着いた照明に照らされたアンティークな内装が、特別な時間を演出している。


私たちは、大和さんが注文してくれたシャンパンで乾杯をし、見た目もお洒落でとってもおいしいお料理をいただいた。

「大和さん、こんな素敵なレストランに
連れてきてくださって、ありがとう
ございます。」

私は改めてお礼を言う。

「こっちこそ、いつもおいしい食事を
ありがとう。
由里子の作る食事がおいしいから、つい
甘えてしまって。
由里子が疲れてる時とか、気分が乗らない
時は作らなくていいんだからね。」

大和さんはいつも私を気遣ってくれる。
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