秘密の同居生活～オレ様副社長の罠にはめられました～

前と同じ場所でお弁当箱を開く。

相変わらずおいしそうに食べてくれる副社長。

「うまいな。前もここで食べたなぁ…。」

そういえばあのとき…副社長なんて言おうとしたんだろう？

「俺…あのときはまだ気づいてなかった。夏菜が好きだってことに。」

「……」

「俺は…夏菜と離れたくないって…言いたかった。だいたいそんなこと言う時点で気づけっていう話だな。」

「わたしは…もっと前に気づいてました。自分が副社長を好きだって。」

「ウソだろ？ほんと？」

「はい。」

副社長は赤くなって下を向いた。

「うれしい。」

「え？」

「そんな前からなんて…うれしすぎる。あー。ほんとに俺…なんてすばらしい女性を好きになったんだろうって思うよ。」

え？
そんなこと言わないでください。

わたしは照れて赤くなってしまった。

「それは…わたしを過大評価しすぎです。」

「そんなことないぞ。俺にとっては…夏菜といれることが幸せだからな。」