先生の全部、俺で埋めてあげる。
先生が目を覚まさない隙に、俺は先生の髪の毛をそっと触った。
キレイな髪。
「莉子」
普段は絶対呼べない先生の名前。
呼んでみても全然反応しない。
「なんで、先生には彼氏がいるの?
俺、まだ全然気持ち伝えてないよ。
今でもずっと先生が好きで好きで、どうしようもないんだ。
ねえ、俺を好きになってよ、せんせ…」
寝ている先生にそんなこと言ったってどうしようもない。
だけど。
この想いはどうやったら消せるのか、全然分からないんだ。