先生の全部、俺で埋めてあげる。



手持ちのチラシを配り終えたところで、自分のクラスの屋台へ戻る。


すると大行列で。


俺を見つけた柾木は

「お前も早く手伝え!」

と、今度は接客をさせられる。


だから苦手なんだよな、接客とか。




「400円です、ありがとうございます」


店番はなかなか忙しかった。


やっと次の店番のやつらが来て、交代した。



「夕惺、どこ行く!?お化け屋敷!?」


柾木は今にもスキップをする勢いで聞いてくる。


「俺クレープ食べたい。自分で作るから待ってて」


「え、夕惺って甘いもの好きなんだ?意外なんだけど」


「好きって程ではないけど」


ずっと甘い匂い嗅いでたら食べたくなるじゃん。


「じゃあ俺の分も作って!」


「ヤだよ、自分でやれよ」


「ケチ―」


柾木はほっぺたを膨らませてブーブー言ってる。




そんな柾木は無視して、バナナの上に生クリームとカスタードたくさんのっけた。


「げー、めちゃくちゃ甘そう」


「うるせー」



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