先生の全部、俺で埋めてあげる。



え?


今の、


見られてた?




「私だって、必死なの…!」


海香が俺に向かって何かを言っている。


だけど俺の耳には全然入ってこなくて。




「待って…」


海香のことは置き去りにして、その人影を追うように保健室を出た。




「夕惺くん!?」


海香の声を背中で感じながら、俺はその人を追う事に必死になっていた。



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