先生の全部、俺で埋めてあげる。



「学校辞めちゃうの…?」


自分が発した言葉があまりにも弱々しくて。


先生の前ではかっこいい自分でいたいのに。


女々しいことしか言えない自分が情けない。




「あー、うん。最初からその予定だったから…」


「学校辞めたら会えなくなる?」


「そうね、会う理由がない…」




イヤだよ、そんなの。




「会う理由がないとか言うなよ…」


分かってはいたけど、いざ面と向かってそう言われるとやっぱりショックで。


このまま先生を離してしまうと、もう一生会えない気がして。


先生を抱きしめる腕に、思わず力が入る。



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