先生の全部、俺で埋めてあげる。



「違うよ…」




そう言うと思った。




本当に違うなら。


俺のこと好きじゃないなら。


自分の感情が分からなくなるなんて、ないんだよ。




「違わない」


「違わなくない…」


「それは、ただ認めたくないだけでしょ?」


「そんなんじゃないよ…」




どうすれれば先生は認めてくれるんだろう。


どうすれば、俺を受け入れてくれるんだろう。


ねえ、先生。


俺が生徒じゃなかったら、よかった?


俺が生徒じゃなければ、こんなにも苦しい思いをさせなかったのかな。


ねえ、先生。




そんな顔で俺を見られたら、俺だって諦めきれないよ…。



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