先生の全部、俺で埋めてあげる。



「じゃあ、証明してみる?」




そう言って先生の頬に触れると、びくんとかすかに揺れる先生。




「…証明?」


戸惑っている先生に、俺はぐっと顔を近づけた。






「俺、今から先生にキスします」




「…は?」




「イヤだったらよけてもらって全然構いません」


「なに言ってるの…?」




自分でもめちゃくちゃなこと言ってるなって思ってるよ。


「それが答えだと思って受け止めます」




「そんなのズルいよ…」


「ズルいのはどっちだよ…!」




やば。


先生の潤んだ瞳を見てると、俺まで泣いてしまいそう。




「いつもいつも、大事なところははぐらかして」


言葉では俺を否定する癖に。


もの欲しそうな顔で俺を見る。




「ズルいのは先生の方だよ」



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