先生の全部、俺で埋めてあげる。



何も言わなくなった先生をいいことに、俺は更に顔を近づける。


先生は硬直したまま動かない。




いいの?


このままじゃ本当に唇が当たるよ。




「やめて…」


先生の顔のすぐ近くで、先生は言う。




「言葉で止めるのなしだよ…」


そんなのいくらだって言える。


やめてほしいなら先生が避けてよ。


俺はもう止まれない。




あと数センチ。


あと数ミリ。




ねえ、せんせ。




そのまま動かないで。




お願い。



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