先生の全部、俺で埋めてあげる。



先生と離れるのが名残惜しくて。


そのままずっと抱きしめていたら、本鈴が鳴って。


先生が俺からそっと離れていく。




「行かなきゃ…」


先生も名残惜しそうな感じに見えるのは気のせいだろうか。


先生は俺の腕をすり抜けてドアに手をかけた。




「今日、図書館で待っててもいいですか?」


恐る恐る聞いてみる。




「うん…」


先生は頷いてくれた。


それって、来てくれるってことでいいんだよな?




「待ってます」


先生の返事が嬉しすぎて、つい顔が緩んでしまう。



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