先生の全部、俺で埋めてあげる。



先生が教室を出ていった後、一気に力が抜けて。


もう動ける気がしなくて。


授業が始まってるけど、しばらくその場所でただぼーっと教室の窓の外を眺めていた。




あんなに想いを寄せていた先生が、さっきまで目の前にいて。


先生を間近で感じることができて。


こんなに幸せなことが今まであっただろうか。




先生は学校を辞めたあとも俺に会ってくれる。


そう思うと本当に嬉しくて。




学校で会えなくなるのは寂しいけど。


先生が先生じゃなくなるんだから、もう何も気にする必要なんてない。


その分これからはもっともっと先生に触れたいって。


そう思ったんだ。



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