先生の全部、俺で埋めてあげる。



もしかして俺って意外と分かりやすいのか?


柾木の件と言い、自分ではポーカーフェイスだと思い込んでたけど、意外と顔に出てるのかもしれない。




「違います」


先生を今でもこうやって待っていることに、気づいている人がいるなんて恥ずかしくて。


俺は否定したのに、




「私が出勤してる日に、あの人が来たら教えましょうか?」


青山さんは俺の言葉なんて全然聞いていなくて。


願ってもみない言葉が飛び込んできた。


俺がゴクリと生唾を飲むんだのを境に、青山さんは糸が途切れたように喋りはじめた。




「私、2人の関係好きだったんですよねー!美男美女だし妄想膨らむっていうか?
図書館司書って意外と暇なんですよね。だからずっと2人はどんな関係かって妄想してて、てへへ」




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