先生の全部、俺で埋めてあげる。
あれから研究の課題に手を付けてみるも、全然終わる気がしない。
他のみんなは徐々に帰って行って、最後の1人になった。
「全然頭まわんねー」
一人になって背伸びをしていると、またどこかに行っていた教授が戻って来た。
「なんだ、まだいたのか」
「すみません」
俺がこんなに遅くまで大学にいることは珍しかった。
いつもだったら課題なんてすぐに片付けて図書館に行くのに。
締切が近いのもあるけど、それ以上にさっきの教授の言葉が気になって全然作業が進まなかった。
教授は俺の後ろを通り過ぎていったかと思うと、椅子に深々と座って、俺が帰るのを待っているみたいだ。