先生の全部、俺で埋めてあげる。



図書館に来てから1時間が過ぎようとしている。


無駄に時計を気にしては、図書館をきょろきょろと見渡す。


あーダメだ、やっぱりソワソワする。


手には尋常じゃないくらいの汗が滲んでくるのに、凍ったように冷たい。


そんな時急にスマホが震えて、柾木からで。


館外に出て、電話に出た。




「お前今どこにいんの?」


「図書館」


「はー?お前マジメかよ、飯でも行こうぜ」


柾木はいつものテンションで、その声を聞くと今のこの緊張がちょっとだけほぐれる気がする。


「ごめん、今日は大事な用事があるから」


「俺より大事な用事ってなんだよ」


いや、やっぱり柾木のこーゆうノリは正直面倒くさい。



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