先生の全部、俺で埋めてあげる。



図書館を出るとすごい雨で、雷が鳴った。


彼と最後に会ったのも雷が鳴る荒れた日だったから、あの日から雷が苦手だった。


里巳くんが私の手を引いて一緒に走ってくれた。


びしょ濡れになりながら、雷におびえる私を気にかけてくれて、うれしかった。


すごく、ドキドキした。




でもまさかキスされるなんて思ってもいなくて。


毎日のように図書館にいた里巳くん。


”愛してるよ”って言ってくれた里巳くん。


”先生に告白されたら付き合います”って言った里巳くん。


全部全部冗談だと思って受け流してた。




でも今日やっと気が付いたんだ。


だからもう彼の優しさに甘えるわけにはいかない。



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