先生の全部、俺で埋めてあげる。



その時、突然立ち眩みが襲ってきて、足元がふらついた。


そのまま倒れるとまずいと思ってすぐにしゃがんだ。




「え?里巳くん大丈夫!?」




背を向けて行ってしまった先生は、なぜか俺の様子に気づいて戻って来たみたいだ。




来なくていいのに…。




「ちょっと立ち眩みしただけですから…」


「え、でも顔色悪いよ?」


「しばらくしたら治るんで…大丈夫です」




本当は頭もガンガンに痛くて、視界が揺れて平衡感覚が分からなくなってる。


でも先生にはかっこ悪いところを見られたくなかった。



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