先生の全部、俺で埋めてあげる。



先生に連れられて、救急用のテントまで来た。


テントの中には保健の先生が待機していた。




「どうしましたか?」


俺たちが中に入ると、保健の先生は慌てて寄ってきた。


「里巳くんが具合悪いみたいで。ちょっと休ませてもらってもいいですか?」


「もちろんです、里巳さん大丈夫?」




保健の先生は椅子を並べて即席ベッドを作ってくれた。


そこで横になろうとしていると、

「先生、大変!山田くんが転んですごい血が出てる!」

そう言ってテントにかけつけた他のクラスの生徒。


「え、大丈夫?!山田くんはどこ?!」


「先生、こっち来て!」

そう言われて保健の先生は俺の方を見た。


「大丈夫です、ここは私がついてますから」

だからケガしてる生徒のところに行ってあげて下さい、って加ヶ梨先生は言葉を続けた。


「すぐ戻ります」


保健の先生は救急箱を持って、生徒と一緒に出て行った。



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