先生の全部、俺で埋めてあげる。
「先生、俺1人で大丈夫ですよ。だから鬼ごっこに戻って下さい」
せっかく先生は楽しそうにしてたのに、俺のせいで台無しにしてしまうのはイヤだ。
「なに言ってんの。一人にさせておける訳ないでしょ」
なんだよそれ。
子供じゃないんだから、これくらい一人で平気なのに。
でも先生は俺が何言ってもそこを動こうとしないで。
心配そうに俺を眺めていた。
先生に心配されるなんて情けない。
俺はそんな情けない自分を見られるのが嫌で、腕で顔を隠した。