先生の全部、俺で埋めてあげる。



それからいつの間にか眠っていた俺は、ガシャンとする物音で目が覚めた。


まだ頭が少し痛いけど、さっきより楽になった。


少し重たい体を起こすと、

「ごめんね、起こしちゃった?大丈夫?」

って先生は俺に近づいてきて優しく声をかけてくれる。


「だいぶ楽になりました」


「…良かった」


俺の言葉を聞いて先生は安堵しているように見える。




「顔色もよくなったね」

そう言って俺の頬をそっと触る先生。


俺はその手を反射的に避けてしまった。




あれ。


なんで今、避けてしまったんだろう。


先生はそんな俺を不思議そうな顔で見ている。



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