先生の全部、俺で埋めてあげる。



後ろ姿まで先生にそっくり。


先生も浴衣着るとこんな感じなのかな。


先生の浴衣、見てみたかったな。


海香の背中を見ながら、俺は先生のことで頭がいっぱいになっていた。




少し歩くと、人けがなくなってきて。


海辺の防波堤についた。




「ここならよく見えそうだな」


そう言って2人で腰を下ろす。




先生は今ごろ彼氏と祭りに来てるんだろうか。


一緒にこの花火を見るんだろうか。




俺はずっと心ここにあらずだった。



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