先生の全部、俺で埋めてあげる。




目が覚めると自分の部屋にいて。


窓から差し込む光を見て、日をまたいでいることに気づく。


それなのにやっぱり俺の気持ちはあの日に置き去りのまま。




「何やってんだろう、俺」




自分の声が広い部屋に虚しく響いた。


罪悪感と後悔が一気に込み上げてくる。




先生には彼氏がいて。


こんなことしたって虚しいだけなのに。


分かっているのに。




「先生に会いたい…」



先生に彼氏がいると知ってからも、そう思ってしまう自分が情けなくて。


どうしようもなかった。




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