芦名くんの隠しごと
言わずにはいられなかった。
だけど、余計に恥ずかしさが募る。
…よく考えたら、わたし、今パジャマだし。
それに、芦名くんはなにも言わない。だから怖い。ぜんぶ私が浮かれてただけで、勝手な妄想だったんじゃないかって───
「どうしよう野乃。おれ、今すごく幸せだなって思った」
「え……」
「安心したんだ。野乃も俺と同じ気持ちだって、ちゃんと知ったら」
芦名くんの心の底から嬉しそうな顔に、今パジャマだとか、恥ずかしいだとか、そんなことは一瞬でどうでもよくなって。
「私も嬉しい………よ。ずっと前から、芦名くんのこと好きだったから」
「…だからさ、そういうこと簡単に言わないでよ……」
「…芦名くんにしか言わないもん、こんなこと」