何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【前編】
「わいは感動した!!」
そう言ってりんは、馴れ馴れしく、今度は京司と肩を組み出した。
しかし、京司はうざったそうに、首を傾け、まだ視線は落としたまま。
「うん!私もだよ!」
京司の隣にいた天音も、いつものように、キラキラ眩しい笑顔を見せて笑った。
天音もりん同様に、痛いほどに感じていた。京司の強い思いを。
「なあ、月斗!」
「…。」
まだ、一人後ろの少し離れた所にいた月斗に、りんはわざとらしく話しを振ったが、もちろん答えは返ってはこない。
「何かしゃべれや。」
「お前の土下座、無様だったぜ。」
しかし、やっぱり月斗の口から出た言葉は、京司を罵倒する言葉だった。
「月斗…。」
天音はやっぱり気になっていた。
月斗がなぜそんなに、京司の事を邪険に扱うのか。
この二人の間には、天音の知らない大きな壁がある事を、天音は気づき始めていた。
「付き合ってられねー。」
そう言って月斗は、天音達に背を向け去って行ってしまった。
「まー、ああ言ってるけど、月斗はホンマは悪い奴じゃないと思うで。」
りんは苦笑いを浮かべながらも、月斗をフォローする言葉を口にした。
なぜなら、りんも月斗の気持ちを、なんとなく察していた。
彼の国に対する気持ち、それはイコール天使教へのもの。
それは月斗の心の奥底にある、憎しみという闇。
「そうだよね。」
天音もりんのその言葉に頷いた。
天音には、月斗のその闇はわからないが、彼がやっぱり悪い人には思えなかった。
(あいつの言う通りだな。)
そして京司もまた、心の中でそうつぶやいていた…。
そう言ってりんは、馴れ馴れしく、今度は京司と肩を組み出した。
しかし、京司はうざったそうに、首を傾け、まだ視線は落としたまま。
「うん!私もだよ!」
京司の隣にいた天音も、いつものように、キラキラ眩しい笑顔を見せて笑った。
天音もりん同様に、痛いほどに感じていた。京司の強い思いを。
「なあ、月斗!」
「…。」
まだ、一人後ろの少し離れた所にいた月斗に、りんはわざとらしく話しを振ったが、もちろん答えは返ってはこない。
「何かしゃべれや。」
「お前の土下座、無様だったぜ。」
しかし、やっぱり月斗の口から出た言葉は、京司を罵倒する言葉だった。
「月斗…。」
天音はやっぱり気になっていた。
月斗がなぜそんなに、京司の事を邪険に扱うのか。
この二人の間には、天音の知らない大きな壁がある事を、天音は気づき始めていた。
「付き合ってられねー。」
そう言って月斗は、天音達に背を向け去って行ってしまった。
「まー、ああ言ってるけど、月斗はホンマは悪い奴じゃないと思うで。」
りんは苦笑いを浮かべながらも、月斗をフォローする言葉を口にした。
なぜなら、りんも月斗の気持ちを、なんとなく察していた。
彼の国に対する気持ち、それはイコール天使教へのもの。
それは月斗の心の奥底にある、憎しみという闇。
「そうだよね。」
天音もりんのその言葉に頷いた。
天音には、月斗のその闇はわからないが、彼がやっぱり悪い人には思えなかった。
(あいつの言う通りだな。)
そして京司もまた、心の中でそうつぶやいていた…。