御坂くん、溺愛しないで。



『どうして先輩が…えっ、これ琴葉さんの番号ですよね?』

少し御坂くんの声が遠くなったから、恐らく電話相手を確認しているのだろう。



「私が御坂くんの連絡先を知らなかったから、その…琴葉のスマホを借りました」


勝手に連絡先を登録するのはどうかと思った結果、こうなったのだけれど。


『じゃあ俺に話があったんですか?』
「そういうことに、なりますね…」


御坂くんは簡単に私の目的を言い当ててしまう。
ここまでくると、もう逃げることはできない。


「それで、あの…御坂くん…」

ダメだ、いざ口にするとなれば緊張してうまく言葉にできない。

ここに来て詰まってしまう。


『先輩、今から会いに行ってもいいですか?』
「えっ…」

『どこにいますか?教室…ではなさそうですね、雑音が入ってないので』

「ま、待って…それは御坂くんに悪いから、その…あの、きょ、今日って放課後空いてますか!」


さすがにここまで来てもらうのは悪いし、今は休み時間のためあと五分しかない。

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