御坂くん、溺愛しないで。
「早く、行かないと…」
「えっ、あ、咲!?走ったら危ないよ!」
今は琴葉の声すら耳に届かず、気づけば御坂くんの元へと走っていた。
自然と動く足。
こんな風に男の人へと駆け寄るなんて、誰が想像できただろう。
自分でも不思議だ。
けれど御坂くんに引き寄せられるようにして、足が動いている。
御坂くんの元へ行って、最初はなんて言おうか。
やっぱり謝罪の言葉が先だろう。
「み、御坂くん!」
まだ数メートルの距離があったけれど、私が御坂くんの名前を呼べば少し俯いていた彼が顔を上げた。
かと思えば少し目を見張った彼。
「ご、ごめ……わっ!」
御坂くんの前で立ち止まろうとした私だったけれど、勢い余って転びそうになってしまった。