御坂くん、溺愛しないで。
「今日の昼、先輩と食べたいです」
「わ、私はひとりで食べます…!」
「先輩、待ってください」
御坂くんに止められたけれど、スルーして廊下を歩いた。
「木原先輩、ひとりでどこ行くんですか」
「……っ、来ないでください!」
変に御坂くんが追いかけてくるせいで、二年の廊下が騒がしくなる。
絶対に何人かは喧嘩だと誤解していることだろう。
「せんぱ…」
「えっ、もしかしてあなた御坂くん!?」
その時突然誰かが御坂くんの名前を呼んだため、足を止めてしまう私。
今が逃げるチャンスだというのに、そのことを忘れて振り返ると、他クラスの女の子数人に呼び止められていた。
御坂くんの性格上、無視することはできないようで素直に女の子たちを見て足を止めた。