御坂くん、溺愛しないで。
「ほら、やっぱり御坂くんだ!」
「どうしてここにいるの?」
「二年の先輩に用があって…」
そしてついには女の子たちの質問攻めが始まってしまい、御坂くんは素直に答えていた。
もっと見た目通りクールな対応すればいいのに、どうして丁寧に答えるんだ。
「今度練習観に行っていい?」
「二年の間でもかっこいいって有名なんだよ!」
そのせいで女の子たちはどんどん御坂くんに迫る。
「すみません、今急いでるんで」
「えっ、急いでるってまだ昼休みはいっぱいあるよ?」
「私たちと話そうよ!」
「早く行かないといけないんで…」
その時御坂くんが私のほうを向いた。
けれど私は御坂くんの対応にムッとしてしまい、“いーっ”と歯を出してから逃げるように背中を向けて廊下を走った。