御坂くん、溺愛しないで。



「これからも頑張ってね」

「あっ、そうだ。みんなのバスケ姿、写真撮ったんだけど理玖くんいる?」


どきりとした。

本当に女の子たちは、写真を口実に御坂くんの連絡先を手に入れようとしていたからだ。


「いや、大丈夫」
「えーなんだ、残念」

けれど御坂くんは断っていたため、ホッと安心する自分がいた。


「まあいいや、それじゃあまた月曜日ね。せっかく撮ったんだし、理玖くんの写真みんなに見せびらかそう〜!」

「それ本人の前で言うか?
恥ずかしいから写真消せよな」

「かっこいいからいいじゃん!これからも頑張ってね」


女の子たちは楽しそうに笑って手を振り、裏門へと向かって歩き出した。


「あーあ、理玖の写真がこれで出回るな?」

「それよりなんで理玖、写真もらわなかったんだよ!女の子たちがせっかく撮ってくれたのに」


そして女の子たちが去るなり、御坂くんはバスケ部のみんなに絡まれていた。

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